【まとめ】ペット葬儀(供養)の種類とそれぞれの違い
2021年6月2日
近年のペット飼育数増に伴い、ペット葬儀(火葬)のニーズも高まってきています。「大切なペットが亡くなったら、できるだけ手厚く弔ってあげたい」という方が増えてきたことは、私たちにとって大変喜ばしいことです。しかしながら、愛するペットとの別れは辛いものであり、そう何度も経験するわけではないため、ペット葬儀(火葬)について詳しく知っていただく機会は、それほど多くありません。そこで、ペット葬儀・納骨の種類や、寺院・民間企業などの実施者による違いについてまとめてみました。いつか訪れる大切なペットとの別れの際、後悔のない選択をするための助けになりましたら幸いです。
目次
ペット供養の種類
ペットを弔うペット供養には、大きく分けてペット火葬とペット納骨があります。
ペット火葬は、ペットの遺体を火葬することで自治体・寺院・民間企業によって行われます。
また、「ペット葬儀」という表現をする場合、一般的にペット火葬の意味合いで使われることが多いです。ペット納骨は火葬した後のペットの遺骨を納骨堂に納めたり、ペット墓地(霊園)に埋葬したりすることです。自治体では行われず、寺院・民間企業によって行われます。
ペット供養の種類について図で示すと、以下のようになります。
表でまとめると以下のような形になります。
【ペット火葬について】
ペット火葬の種類 | 返骨 | 概要 | 実施者 | 費用の目安 |
合同火葬 | なし | 複数のペットのご遺体を合同で火葬する。 | 自治体 | 2,000円~5,000円 |
寺 | 15,000円~20,000円 | |||
民間企業 | ||||
個別一任火葬 | ※実施者による | ペットのご遺体を預かり、個別に火葬する。立会はなし。 | 寺 | 15,000円~30,000円 |
民間企業 | ||||
立会火葬 | あり | 火葬場(ないし移動火葬車)にて立会の上、火葬を行う。原則として返骨あり。 | 寺 | 17,000円~70,000円 |
民間企業 |
【ペット納骨について】
ペット納骨の種類 | 納骨場所 | 概要 | 実施者 | 費用の目安 |
合同納骨
(合同供養) |
共同墓地
合同供養塔 |
ペット用の共同墓地・合同供養塔へ、他のペットと合同で納骨される。 | 寺 | 30,000円~100,000円 |
民間企業 | 無料~30,000円 | |||
個別納骨
(個別供養) |
納骨堂や霊堂、ペット墓地
※個別の骨壺 |
ペット霊園・納骨堂や霊堂に、個別の骨壺で納骨する。 | 寺 | ・納骨堂:10,000円~
・墓石:200,000円~3,000,000円 ※年間管理費:10,000円~30,000円 |
民間企業 |
ペット火葬の種類
ペット火葬の種類である、「合同火葬」「個別一任火葬」「立会火葬」についてご説明します。
ペットの合同火葬について
一定数集まったペットの遺体を合同で火葬することを、「合同火葬」と言います。個別に火葬を行うわけではないため、返骨はされません。合同で火葬を行うため、その他のペット火葬よりも比較的リーズナブルであることが特徴で、「供養はしてあげたいが費用は抑えたい」という方に向いています。
・自治体による合同火葬
あまり良い表現ではないのですが、ペットが亡くなった場合、法的には一般廃棄物に分類されます。そのため、飼い主様が申し出ることで自治体による火葬が可能です。
自治体によってはペット専用の火葬炉を設けている場合もありますが、多くの場合は通常の焼却炉で他のペットや廃棄物と共に処理され、返骨は行われません。
寺院・民間企業での火葬と比較し、費用がリーズナブルであることはメリットですが、「ちゃんと弔ってあげたい」という方には、寺院や民間企業での火葬の方が適しています。
・寺院による合同火葬
ペット墓地やペット納骨堂を運営している寺院では、ペット火葬の対応が可能であるケースも増えてきています。また、既に火葬が終わっている場合も、一般的に言う葬儀や法事(供養)のみの受付が可能、という寺院もあり、ペット葬儀ニーズの高まりに対応してきている。他のペットと合同での火葬となるため、返骨は行われません。
・民間企業による合同火葬
火葬炉を搭載した「移動火葬車」による火葬や、ペット葬儀場における固定式の火葬炉での火葬があります。いずれも複数のペットとの合同火葬であるため、返骨は行われません。移動火葬車による火葬の場合は、火葬終了後の遺骨は提携先の寺院で合同納骨となるケースがあり、ペット葬儀場まで所持している企業の場合、納骨堂やペット霊園(ペット墓地)も併設していることがあり、そちらへの合同納骨が可能であることも多いです。
ペットの個別一任火葬について
ペットの遺体を預かり、飼い主様の立会なしで個別に火葬することを「個別一任火葬」といいます。「立会はできないが、個別にしっかり弔ってあげたい」という方に向いています。
また、「ペットロスで悲しすぎて、お別れすることや遺骨を見るのが辛い」という方にも、一定のニーズがあります。
個別での火葬となるため、飼い主様への返骨が可能であり、納骨の対応も可能である場合は、希望に応じて納骨まで行います。
・寺院による個別一任火葬
ご遺体を引き取り、もしくは持ち込みの上、火葬を行います。
ご遺骨は、飼い主様の希望に応じ返骨を行うか、納骨堂やペット墓地を持っている寺院の場合は、納骨や埋葬まで対応可能です。
・民間企業による個別一任火葬
寺院同様、飼い主様の希望に応じてご遺体引き取り、もしくは持ち込みの上で火葬を行います。
移動火葬車による火葬の場合は、火葬終了後の納骨(供養)は提携先の寺院で行われるケースもあります。ペット葬儀場を所持している企業の場合、納骨堂やペット霊園(ペット墓地)も併設していることがあり、その場合はご希望に応じて別途納骨や埋葬も可能です。
ペットの立会火葬について
ペット火葬場(ないし移動火葬車)にて、飼い主様立会の上で火葬を行うことを「立会火葬」といいます。読経までセットになっているケースもあり、これまでご紹介した火葬の種類の中では最も手厚く弔ってあげられるものになります。個別の火葬であるため、火葬を行った後は返骨ないし、飼い主様のご希望に応じ納骨や埋葬を行います。
「できるだけ手厚く供養してあげたい」という方に向いています。
・寺院による立会火葬
ペットのご遺体を引き取り、もしくは持ち込みの上、寺院にて飼い主様立会で読経・火葬を行います。
ペット用の火葬炉を所持している寺院では火葬炉を用いますが、そうでない寺院は移動火葬車を境内の中に入れ、火葬を行います。
・民間企業による立会火葬
寺院同様、飼い主様の希望に応じてご遺体引き取り、もしくは持ち込みの上で火葬を行います。
移動火葬車の場合、飼い主様の自宅等に訪問し、その場で火葬・供養を行い、返骨ないし提携先寺院等への納骨・埋葬を行います。ペット用火葬炉を所持している企業の場合、ペット斎場併設であるケースも多く、場内での読経・火葬となります。
ペット納骨の種類
ペット納骨の種類である、「合同納骨」「個別納骨」についてご説明します。
ペットの合同納骨(合同供養)について
合同供養では、寺・民間企業など、運営者が所有するペット用の共同墓地・合同供養塔へ納骨されるケースが多くなっています。実施者によっては、火葬も併せて依頼している場合は合同納骨が無料となるケースもあります。
・寺院による合同納骨
合祀墓として、1つの場所に他のペットと一緒に納骨可能なスペースがある寺院が増えてきています。寺院の敷地内ということもあり、金額は民間企業と比較すると、高めに設定されている傾向もあり、菩提寺として先祖が納骨していないと、ペット納骨を受け付けていないお寺も存在します。
ホームページ等でペット納骨について触れられている寺院であれば、柔軟に対応してくれるケースが多いですが、事前の確認をおすすめします。
・民間企業による合同納骨
企業が所持するペット霊園での合同納骨となり、樹木葬や海洋散骨といった自然葬が可能な企業もあります。対応できるサービスや金額は企業によって大きく異なるため、理想の納骨プランがある場合は生前相談の活用がおすすめです。
ペットの個別納骨(個別供養)について
個別供養では、寺・民間企業などの運営者が所持するペット霊園・納骨堂や霊堂に、個別の骨壺で納骨します。屋外のペット墓地では墓石にメッセージ等を彫ることができたり、屋内の納骨堂については骨壺だけでなく写真やお供え物も置くことができるなど、近年のニーズの高まりを受けたサービスも展開されてきています。
・寺院による個別納骨
合同納骨のみ対応している寺院が多かったですが、ペットの個別納骨が可能なケースも増えてきています。また、寺院によっては人と同じスペースに一緒に納骨できる、という事例も増えてきており、そうした点は寺院での納骨ならではのメリットと言えます。
・民間企業による個別納骨
室内で骨壺を預かる納骨堂と、庭園に墓石を建てて納骨をするペット墓地の2通りがあります。納骨堂への納骨は、企業によっては1万円前後からと、比較的リーズナブルに行えるのはメリットです。ペット墓地は墓石の購入も必要になるため、合同納骨や納骨堂と比較すると高額になりますが、個別のメッセージを彫ることもできたりと、手厚く弔いたいという方には人気があります。
【おわりに】ペット葬儀・供養で悩まないために
ペット葬儀・供養の種類について理解しておくことで、大切なペットのもしもの際に、理想の形で弔ってあげることができます。寺院・民間企業とも、近年のペット葬儀のニーズの高まりに応えるため、柔軟な対応が可能であるケースが増えてきております。また、生前相談を受け付けている場合も多いため、「こんな形でお別れしてあげたい」といった理想をお持ちの場合は、ご活用いただくと良いかと思います。
もちろん私たちも生前相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
この記事が皆様のお役に立ちましたら幸いです。
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