ペットの死亡時の正しい処理手順~ペットを尊厳持って送る方法
2024年7月9日
愛するペットが亡くなった時、飼い主はさまざまな手続きや準備を行う必要があります。ペットとの最期の時間を大切にし、適切に遺体を収めることは、愛しいペットへの最後の敬意を払うことにもなります。このブログでは、ペットが亡くなった後の具体的な対処法について、遺体の安置方法、火葬の選択肢、行政による処理など、詳しく解説しています。
ペットが亡くなったあとにすべきこと
愛犬や愛猫などの大切なペットが亡くなった時、飼い主の気持ちは大きなショックや悲しみでいっぱいになります。しかし、そのような状況でも、いくつかの手続きや処理が必要となります。以下に、ペットが亡くなった後にすべきことをご紹介します。
死後硬直が始まる前に手足を丸める
ペットが亡くなった直後は、手足が伸びきっている状態です。しかし、死後硬直が始まる前に、手足を丸めるように内側に折ることが重要です。これは、遺体を安置するための箱に納めやすくするためです。遺体の大きさや季節によって差がありますが、一般的には約2時間ほどで死後硬直が始まると言われています。なるべく早く手足を内側に丸めた姿勢にしてあげましょう。
身体を清める
ペットの身体に汚れが付いている場合は、湿ったタオルなどを使って優しく拭いてあげましょう。また、口や鼻、お尻のあたりは体液が漏れ出る場合があるため、綺麗にしてあげることも重要です。
死亡届の提出
犬の場合は、狂犬病予防法により死後30日以内に死亡届を市区町村役場に提出することが義務付けられています。死亡届の提出には、鑑札や狂犬病予防注射済票も必要です。死亡届を出さなかった場合、20万円以下の罰金が課せられる可能性もあるため、必ず提出しましょう。ただし、特定動物や猫、ウサギ、鳥、ハムスターなどの場合は、死亡届の提出は必要ありません。
最後の送り出し
ペットの最後の送り出しについて、斎場での火葬や焼却処理を選択することができます。ただしゴミとして処理されます。焼却処理を希望する場合は、燃やせるごみの日に町内の集積所に出したり、クリーンセンターに持ち込んだりすることができます。
大切なペットはゴミではありませんのでのできれば民間のペット火葬業者へ依頼をして、正しく供養をしていただいて欲しいと願っています。
遺体の安置方法
ペットの遺体を適切に安置することは非常に重要です。以下では、ペットの遺体を安置する方法や注意点について詳しく説明します。
棺に寝かせる準備
ペットの遺体を安置するためには、棺を用意する必要があります。棺の底には、タオルやバスタオル、新聞紙、古いシーツなどを敷き詰めましょう。これらの布は、遺体から出る体液を吸収する役割を果たします。
タオルやガーゼを使用して遺体を安置する
遺体の底には、タオルやバスタオル、ガーゼを敷くことで、遺体が直接棺に触れることを避けることができます。
ドライアイスや保冷剤の使用
遺体の腐敗を防ぐためには、ドライアイスや保冷剤を使用することができます。特に遺体の体温が低くなっている場合や、葬儀までの時間がかかる場合は、遺体に直接ドライアイスや保冷剤を当て、固定しましょう。
長時間の安置時の注意点
ペットの遺体を長時間安置する場合は、定期的にタオルやガーゼなどを交換する必要があります。特に口や肛門からの体液が出ている場合には、ガーゼを使用して吸収しましょう。また、体温が低くなるとノミやダニが発生する可能性があるため、タオルを交換することも重要です。
(注意点)安置の際には注意が必要
遺体を安置する際には、死後硬直に注意が必要です。特に犬の場合、約2~3時間で死後硬直が始まると言われています。硬直が始まった後は、折り曲げることが難しくなるため、亡くなった直後に前脚と後ろ脚をたたむようにしてください。ただし、硬直が始まった後は力任せで折り曲げることは絶対に避けてください。関節を伸ばす方向に脚を引き、折り曲げるようにすると脚をたたむことができます。
以上がペットの遺体を安置する際の方法や注意点です。遺体を適切に安置することは、大切なペットへの最後の敬意を示すことでもあります。ペットの為にも、丁寧な準備を怠らないようにしましょう。
火葬方法の選択肢
ペットの火葬方法を選ぶ際には、個別火葬と合同火葬の2つのオプションがあります。個別火葬はさらに3つの方法があり、それぞれ異なる特徴を持っています。
合同火葬
合同火葬は、ペット火葬業者やペット霊園に火葬と供養を全てお任せする方法です。返骨は行われません。ペット火葬業者では、業者がご自宅まで迎えに来て遺体を引き渡し、その後他のペットたちと一緒に火葬されます。一方、ペット霊園では、飼い主が遺体を持ち込む場合と霊園が迎えに来てくれる場合があります。合同火葬は、忙しくて時間が取れない方や他のペットたちと一緒に見送りたい方におすすめです。
個別火葬
個別火葬では、以下の3つの方法から選ぶことができます。
一任個別火葬
一任個別火葬では、ペット火葬業者やペット霊園に遺体を引き取ってもらい、飼い主のペットだけを火葬し収骨までを任せます。一部の業者では返骨も行ってくれますが、事前に確認が必要です。一任個別火葬は、返骨を希望される方や個別で火葬をしてあげたい方に適しています。
訪問個別火葬
訪問個別火葬では、ペット火葬業者が自宅まで来てセレモニーを行い、その後自宅か少し離れた場所で車中火葬を行います。火葬時にはほとんどの場合立会うことができますが、事前に確認が必要です。
ですが近隣トラブル、警察を呼ばれることで火葬が中断するケースが多々ありますので、最近はあまり利用されている方は少ないです。
立会個別火葬
立会個別火葬では、飼い主が火葬場まで行くか又は迎えに来てもらい、火葬から収骨まで飼い主やご家族が立会います。この方法はペットの葬儀・供養に特にこだわりがあり、最後まで付き添いたい方におすすめです。火葬時間はペットの大きさによって異なりますが、費用が一番高くなります。
これらの火葬方法の選択は、ご家族の考え方や費用を参考にして、一番納得のいく方法でペットの送り出しを行ってください。
ペット火葬業者一覧をご覧いただければ、自宅までの訪問をご希望の方もすぐに依頼をすることができます。
行政による処理
ペットの亡骸の処理方法の一つとして、地方自治体に処理を依頼する方法があります。自治体によって対応が異なる場合もありますが、以下のような手続きが一般的です。
- 自治体への申し込み
まず、地域を担当する環境事業センターへ連絡し、処理の申し込みを行います。 - 引き取りまたは回収
自治体では、処理のためにペットの亡骸を引き取るか、回収する場合があります。飼い主は、自治体の指示に従って手続きを行います。 - 手数料の支払い
自治体によっては、ペットの処理に手数料が発生する場合があります。手数料の有無や金額については、事前に確認しておく必要があります。 - 処理方法の選択
自治体では、ペットの亡骸をどのように処理するか選択することができます。一般的には焼却処分が行われますが、埋葬処分を希望する場合もあります。 - 事業所への搬入
処理方法が決定した場合、自治体から指定された施設や事業所へペットの亡骸を持ち込む必要があります。自治体によっては、引き取りに来てもらうことも可能です。 - 処理完了の報告
処理が完了したら、自治体に処理完了の報告を行うことがあります。報告方法や必要な書類については、事前に自治体に確認しておきましょう。
自治体によっては、ペットの処理に関する詳細な情報を提供している場合もあります。飼い主は、地域のルールや手続きに従って処理を行うようにしましょう。また、ペットの亡骸を見つけた場合は、直ちに自治体に連絡し、適切な処理を依頼することが重要です。
動物病院や獣医師に相談すること
動物病院や獣医師に相談することは、ペットが亡くなった後の処理や精神的なサポートを受けるために重要です。以下は、動物病院や獣医師に相談することの利点や注意点についての情報です。
動物病院や獣医師に相談する利点
- 専門知識を持つ専門家からアドバイスを受けることができる。 動物病院や獣医師は、ペットの健康や福祉について専門知識を持っています。ペットの死亡に関する手続きや処理方法について相談することで、適切なアドバイスや情報を得ることができます。
- 感情的なサポートを受けることができる。 ペットの死は飼い主にとって非常につらいものです。動物病院や獣医師は、飼い主の感情や喪失感に寄り添い、励ましやサポートをしてくれます。
- 適切な処置方法を知ることができる。 動物病院や獣医師は、ペットの遺体を適切に扱い、処理する方法について知識を持っています。遺体の処理方法や火葬の選択肢など、専門家の助言を受けることで、適切な処置を行うことができます。
動物病院や獣医師に相談する注意点
- 事前に連絡をすることが必要です。 動物病院や獣医師に相談する際には、事前に電話で連絡をすることが重要です。特に、ペットの死後の処理や火葬の予約など、時間に余裕をもって手配する必要があります。
- 費用について事前に確認しましょう。 動物病院や獣医師によっては、相談や処理に費用がかかる場合があります。事前に費用について確認し、必要ならば予算を立てることが大切です。
- 感謝の気持ちを忘れずに示しましょう。 動物病院や獣医師は、飼い主やペットのために尽力してくれる存在です。感謝の気持ちを忘れずに、お礼を言うことが重要です。
動物病院や獣医師に相談することは、ペットの死後の処理や感情的なサポートを受けるために重要です。専門知識や経験を持つ専門家からのアドバイスやサポートを受けながら、ペットを偲ぶことができます。
悪徳獣医師に注意
獣医師はよく、ペット火葬業者を紹介しています。本人が利用をしたこともなければ、手数料を多くもらえるペット火葬業者へ誘導をし、マージンをもらうというシステムがすでに構築されています。
私たちが、動物病院へ呼ばれ、「いくら出せるんだ?」って言われたことは何百回と聞いてきました。ご自身のペットは自分の目利きで決めるのが大切です。事前に施設へ足を運んだりして、ご自身の目で確かめることが一番大切です。
まとめ
ペットの死は飼い主にとって大変つらい経験ですが、適切な対応をすることで、大切なペットの最期を心を込めて送り出すことができます。遺体の安置や火葬方法、行政への手続きなど、様々な選択肢がある中で、ペット火葬施設に足を運んだり、友人など相談しながら、飼い主の意向に合った方法を選ぶことが重要です。最後まで愛情を持って対応することで、ペットとの想い出を大切にすることができるでしょう。大切な存在を失った悲しみは大きいかもしれませんが、ペットへの思いを胸に秘めながら、前を向いて進んでいくことが大切です。
よくある質問
ペットの死後に遺体はどのように安置すればよいですか?
遺体の準備としては、棺の底にタオルやバスタオル、新聞紙などを敷き、遺体をそこに安置することが重要です。また、腐敗を防ぐためにドライアイスや保冷剤を使用することもできます。長時間安置する場合は、タオルやガーゼなどを定期的に交換する必要があります。
ペットの火葬方法にはどのようなものがあるのでしょうか?
火葬方法には、合同火葬と個別火葬の2つのオプションがあります。合同火葬は手続きが簡単ですが、個別で火葬したい場合は、一任個別火葬、訪問個別火葬、立会個別火葬から選択できます。それぞれ特徴が異なるので、ご家族の考え方や費用を参考に最適な方法を選んでください。
自治体に遺体の処理を依頼する方法はありますか?
自治体に遺体の処理を依頼する場合は、まず環境事業センターに連絡して申し込みを行います。自治体が遺体を引き取るか回収するので、飼い主は指示に従って手続きを進めます。処理方法は自治体によって異なり、焼却処分や埋葬処分などが選択できます。手数料が発生する場合もあるため、事前に確認が必要です。
動物病院や獣医師に相談することのメリットは何ですか?
動物病院や獣医師に相談することで、ペットの死に関する専門的な知識や助言を得ることができます。また、感情的なサポートも受けられ、適切な遺体の処理方法についても助言してもらえます。ですが、獣医師からのペット火葬業者の紹介は注意が必要です。ペット火葬業者を選ぶ際は鵜呑みにせず、必ず実際にその施設へ足を運んでみましょう。
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