終末期の愛猫との過ごし方
2019年5月16日
今回は、愛猫との終末の過ごし方について綴らせていただきます。
現在は一般家庭における飼育頭数も増え、多くの方が猫たちと暮らしています。
仕事やプライベートで辛いことや苦しいことがあっても、家に帰ればいつも変わらずに接してくれる猫たちに毎日癒されてます。
2019年4月にはこのような記事がでてました。
- ネコは自分の名前を聞き分ける、上智大ほか研究
- ネコは、ネズミの捕まえ方から、缶を開ける音が何を意味するのかまで、多くのことを知っている。さらには、自分の名前も聞き分けているらしいことが、新たな研究で確認された。
- 上智大学の心理学者である齋藤慈子氏は、4月4日付け学術誌「Scientific Reports」に発表した論文で、ネコは確かに自分の名前を聞き分けており、見知らぬ人に呼ばれた場合でも反応することを示した。
- 齋藤氏はネコ好きだ。大学院で霊長類の認知に関する研究をした後、この誤解されがちなペットを研究対象に選んだ。
- 「ネコが大好きです。ネコはとてもかわいらしく、とてもわがままです。撫でて欲しい時は寄って来ますが、放っておいて欲しい時には離れていきます」と齋藤氏は笑う。同氏は、これまでの実験で、ネコには、人のジェスチャーを理解し、隠してある食べ物を見つけたり、飼い主の声を聞き分けたり、自分を見て名前を呼ぶ人に食べ物をねだったりする能力があることを明らかにしてきた。これらすべてが、ネコは自分の名前を聞き分けていることを示唆している
この記事を読んで思ったことは「いまさら?!」と思うぐらい、驚きました。
猫と暮らしてる人からしたら分かりきってる内容ですよね。
わたしが家で共に暮らしている猫たちは各々名前に反応しますし、ごはんの時間も「ごはん」という言葉も認識しています。
大森ペット霊堂の看板猫のぶちょに至っては、「ぶちょ」と呼ぶたびに声を出して返事をしてくれます。
目次
猫の終末期を考える
愛くるしい猫たちですが、命あるものには必ず終わりが訪れます。
最近では20歳以上の猫ちゃんも多く見かけるようになりました。
飼育環境や食べ物に気を遣うことにより、平均寿命も昔に比べとても永くなりました。
ただ、高齢猫になると人も同じですが、様々な病気や痴呆の症状が表れてきます。猫は特に、限界まで痛みや辛さを隠してしまうという習性があるため、病気の発見が遅れてしまうことも多くあります。
震え、痙攣
猫が手足を震わせていたり、顔面がピクピクと痙攣をしたりしているときは「脳や心臓」など神経系の病気のサインである可能性があります
排泄
- ・出にくそう
- ・トイレに居座る
- ・痛そうに鳴く
- ・しゃがんでいるが尿が出ていない
- ・血尿
猫のおしっこに血が混ざっているときには「泌尿器系」の病気の発症をしているサインの可能性があります。膀胱のトラブルは猫が起こりやすい病気の1つです。
痛がる
- ・特定の場所を痛がって触らせてくれない
- ・じっとしたまま動かない
- ・鳴き続ける
これらのようなサインがあれば骨折や打撲、血栓症、関節炎などの病気のサインである可能性があります。
酷い咳
猫が苦しそうに咳こんでいたり、空咳が続いたりするようであれば、肺など呼吸器系の病気のサインである可能性があります。
激しい嘔吐
猫が激しい嘔吐をしているときや、何度も繰り返しているときは病気のサインである可能性か高いです。
猫は元々、よく吐くのでいつもと違うなと違和感があった時点で病院に連れていくことをお勧めします。
意識を失う
猫の病気のサインとして突然「意識がなくなる」ということがあります。
名前などの呼び掛けにも反応が薄かったり、昏睡状態になったりすると「肝臓」「腎臓」「血糖」「心臓」などに何らかの異常をきたしているサインです。意識が回復をしたとしても、また引き起こしては危険ですのですぐに病院へ連れて行きましょう。
猫の様子がおかしいときは、様子を見ないでまず受診することが大切です。
猫は介護が必要になることも
犬に比べ、猫の場合は寝たきりの介護を要することはイメージとして少ないと思いますが、高齢のため、足腰が弱ってしまったり、若くても重度の病にかかってしまうと神経などが麻痺して起き上がれなくなってしまうことがあります。
床ずれしないよう気を付けたり、強制給餌や排泄のお世話をする必要があります。
猫はきれい好きで身だしなみのお手入れも欠かせません。しかし、身体が不自由になってくると自らの力ではできなくなってしまいます。そんな猫たちの身体のケアとストレスケアの為にも、たくさんブラッシングをしてあげてください。
きっと喜んでくれることでしょう。
介護はとても大変です。悩みや不安に押しつぶされない為にも誰かに相談できる環境や頼れる病院や介護施設を見つけておきましょう。
愛猫との終末を過ごす暮らしは飼い主ご自身の一生の中では、わずかな時間です。後から後悔のでないよう、自分自身が納得する介護をしましょう。
猫が亡くなったら葬儀を考える
辛く悲しいお別れの時は必ず訪れます。
最期、看取りができた方は、悲しみと同時に、やっと苦しみから解放された目の前の愛猫を見て安堵する方もいることでしょう。
最期、都合がつかず、看取ることができなかった方は、逝くときは近くにいてあげたかったと後悔されてしまうことでしょう。でもご自身を責めないでください。
きっと、愛猫は飼い主様に逝くところをみてほしくなかったのだと思います。猫は元来、ひとりで過ごすことも大好きな生き物です。旅立ちはひとり静かに行くと決めていたのでしょう。
猫の終末期をしっかりと見据えよう
葬儀では、しっかりとお見送りをしてあげてください。人も猫も平等です。その子の生涯に対して感謝と労いの気持ちを込めて送ってください。
大森ペット霊堂スタッフとして、日々多くの猫たちの葬儀のお手伝いをしております。ここで出会う猫たちはみんな幸せそうに送られてます。
色とりどりの生花や好きだったごはんやおもちゃを身体に添えられて旅立ってます。
中にはお花の代わりにたくさんの鰹節を身体の周りに振りかけられて美味しそうな香りに包まれて旅立つ子もいます。
大森ペット霊堂では、猫のことを想い、家族の気持ちに寄り添い、誠心誠意の心を込めて葬儀のお手伝いをさせていただいております。
- 楽しく過ごした幼少期~
- たくさん遊んで食べた若年期~
- 身体のこと気遣い始めたシニア期~
- のんびりと過ごした老年期〜
家族の皆様も、その猫と出会ってから最後の瞬間までひとつひとつの大切な思い出があると思います。
その思い出を宝物として、心の中でいつまでも愛猫と一緒にいてください。
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