最愛の猫ちゃんに捧げる最期の看取り方
2019年7月12日
元気に過ごしていた猫ちゃんでも、生きとし生けるモノには必ずお別れのときが訪れます。ご家族の方にとって、最後まで猫ちゃんにできうる限りのことをしてあげたい、と介護や看病をしている方も多いのではないでしょうか。これから猫ちゃんを看取るとき、最期の過ごし方とどう向き合って行くのかについてお話ししていきます。
目次
猫ちゃんの寿命は犬より長い?!
猫ちゃんの平均寿命や健康寿命についてまとめました。
猫ちゃんの平均寿命
2017年に一般社団法人ペットフード協会が行った「全国犬猫飼育実績調査」では、猫の平均寿命は15.33歳でした。犬の平均寿命は14.19歳なので、猫ちゃんのほうがワンちゃんよりも約1年寿命が長いです。
なぜ猫ちゃんの寿命は延びているのか
昔は猫ちゃんを外飼いする飼い主さんが少なくありませんでしたが、「ペットは家族」という考え方が主流になった今は、家の中で飼育するケースが増え、不慮の事故や感染症などのリスクが減りました。また、医学の発達やキャットフードの品質向上も猫ちゃんの寿命が延びた原因と考えられます。
平均寿命が延びるとともに、注目を集め始めたのが「健康寿命」です。
健康寿命とは、介護の必要がない状態で猫ちゃんが元気に生活できる期間のことを言います。
大切な猫ちゃんには、生活の質を落とさずに長生きしてもらいたいですね。
猫ちゃんのSOSを見逃さないために
次のような症状に当てはまる場合は早めに病院へ連れて行きましょう。
食欲は落ちてないか
猫ちゃんの食欲が落ちてしまう原因についてはいろいろ考えられます。病気の場合は、消化器疾患(慢性胃炎・腸閉塞・胃捻転など)、ウィルス感染症(猫白血病ウィルス感染症、猫ウィルス性鼻気管炎など)、お口の中のトラブル(歯周病、口内炎)などです。
歩き方はいつもどおりか
足を引きずっている場合は、捻挫や脱臼、骨折などの怪我のほか、肉球に爪が食い込んでいたりトゲが刺さったりしていないかチェックしましょう。
なかには重大な病気を発症しているケースがありますので注意が必要です。また、ふらふらとよろけながら歩く場合は、脳や脊髄の病気、骨折などが原因かもしれません。
おしっこやウンチはしているか
おしっこの回数や量に変化があるときは要注意です。猫ちゃんに多いおしっこトラブルの原因となる病気は、膀胱炎や尿道炎、結石症(尿道などに結石がつまって発症する)などが挙げられます。
また、下痢や軟便が続くときは何らかの感染症を患っているケースもありますので、早めに医師に相談してください。
介護が必要になったら
高齢の猫ちゃんを介護するときのポイントについてお伝えします。
食事の補助
ドライフードは、熱過ぎないお湯でふやかしてあげると食べやすくなります。柔らかく栄養価が高い缶詰を利用するのもいいでしょう。猫ちゃんが自力でお水を飲めないときは、 スポイトやシリンジ、子猫用哺乳瓶などを使って飲ませてあげてください。
お薬を嫌がる猫ちゃんは多いです。お薬が液体の場合は、お水のときと同様にスポイトやシリンジを活用しましょう。錠剤の場合は、まず口を開かせてお薬を喉の奥のほうに置きます。その後すぐに口を閉じて喉をさすってあげると飲み込みやすいです。
歩行の補助
加齢により足腰が弱くなりジャンプ力がなくなってしまった猫ちゃんは、室内の段差で怪我をするリスクが高まります。トイレに猫用スロープをつける、室内に障害物になりそうなものを置かないなどの対策が必要です。
トイレの補助
粗相をしてしまう回数が増えたりトイレの高さをまたげなくなったりしたときは、オムツを試してください。ペット用オムツを購入する際は、猫ちゃんの体にフィットするサイズの物を選びましょう。おむつかぶれを起さないようオムツはこまめに交換し、お尻周りをウェットティッシュで拭きます。時々、お尻をぬるま湯ですすいであげると清潔に保てます。
安心して過ごせる場所づくり
老猫ちゃんは眠っている時間が長くなり、触られることを嫌がることもあります。
1匹で静かに過ごせる空間を作ってあげると精神的に落ち着きますし、体への負担も少なくなります。
猫ちゃんと家族の向き合い方
猫ちゃんとのお別れのことなど考えたくないのは、飼い主さん共通の思いでしょう。ただ、何の心の準備もないままに猫ちゃんと突然の別れを迎えると、ペットロス症候群になってしまう可能性や”もっとこうしてあげれば良かった”などの後悔が残りやすくなります。
猫ちゃんとのお別れは非常に辛い出来事ですが、飼い主さんの悲しみがあまりにも深いと猫ちゃんは安心して天国に旅立てません。いざその時がきたら猫ちゃんを安心して送り出してあげられるよう、看取り方についてご家族でよく話し合っておいてください。
愛猫と最期を迎えるにあたって
猫ちゃんの平均寿命や健康寿命、介護の仕方、落ち着いて看取るための心の持ち方などについてみてきました。
愛猫がどんな最期を迎えるのかは誰にも分かりませんが、飼い主さんから大切に可愛がられた猫ちゃんはみんな幸せな気持ちで旅立てるのではないでしょうか。猫ちゃんとの1日1日を楽しんで過ごすことこそが、穏やかな看取りにつながるのかもしれません。
大森ペット霊堂では、猫ちゃんの健康維持や飼い主さんの思いを込めたペット葬儀についてのご相談を受け付けております。いつでもご連絡ください。
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