ペットの移動式火葬車についてお答えします。
2019年11月28日
ペット葬儀の形態に変化が出てきたことをあなたはご存知でしたか。ペットを飼う人々の生活スタイルに合わせて「移動式火葬車」が出てきました。移動式火葬車のニーズが高まる中、残念なことに移動式火葬ならではのトラブルや問題が起きています。大森ペット霊堂ではあえて移動式火葬車でのペット葬儀は行っておりません。そもそも移動式火葬車とはどのようなものなのか、利用する上での注意点は何かについてお答えしていきます。
目次
移動式火葬車とは?
移動式火葬車とは、車内に火葬炉を積み込んでいる車のことをいいます。車で行けるところであれば、どこへでも移動し、火葬できるためペット供養の新たな手法として行われています。ペット火葬車とも呼ばれるこの供養方法は、飼い主と過ごした自宅や思い出の地でペットを火葬できるため、個別火葬を希望する飼い主からニーズがあります(1)。
一般的な移動式火葬車の利用方法
移動式火葬車を提供するペット葬儀業者は、次の手順で対応していることが多いです。
1.ペット葬儀業者へ問合せ
2.自宅または思い出の地へ、移動式火葬車が訪問
3.ペットをその場で火葬
4.お骨を業者またはご家族が取り上げる
5.ご家族の元へ骨壷をご返骨
移動式火葬車を利用する前に
ペットブームの影響とペットの高齢化があいまって、移動式火葬車に手を出す業者が徐々に増えてきました。しかし、増えつつある移動式火葬車に比べ、ペット火葬に関する法整備は追いついていない現状です。
動物の火葬・埋葬業に関わる自治体の制定状況には、ばらつきがあります(2)。そのため、移動式火葬車を利用したいという人は、ペット葬儀業者やペット霊園を選ぶのと同じように入念に調べましょう。
移動式火葬車は誰でも開業できる
現在、移動式火葬車には軽自動車からトラックまでさまざまな種類・大きさの車種が使われています。火葬車と事務所を用意すれば、誰でも簡単に開業できてしまうビジネスモデルです。ドライバーや火葬の担当者には、ペット葬儀に関する必須資格は現在ありません。(2019年11月現在)
移動式火葬車を営む人の中には、率先して地域住民への配慮やサービス向上、各自治体の提示する規制を遵守する人もいますので、情報収集や利用者の声を実際に見聞きしましょう。
地域住民への理解・配慮
自宅でペットを火葬するにあったって、移動式火葬車へ積載した火葬炉にも「火葬施設」としての基準が設けられています。しかし、この基準を設けている自治体はまだ少ない現状です。ペット火葬を行う場合には、下記の法令が適用されます。それぞれについて、適切な対処をしているかどうかは吟味するべきでしょう。
- ・悪臭防止法
・大気汚染防止法
・ダイオキシン類対策特別処置法
・廃棄物の処理及び清掃に関する法律
・各自治体で提示される火葬施設の基準
近隣住民の方にとっては、家の近くでペットの亡骸を火葬することに対して、嫌悪感を抱く人が少なからずいるでしょう。移動式火葬車を気軽に依頼して、近隣住民とあとでトラブルになったケースもあります。検討段階の時点で、近隣住民にひと言添えることが社会人としてのマナーです。
金額提示が明確か
2005年11月17日の新聞にて「生焼けで犬を返す」などと脅され、やむなく高額費用を支払うことが過去にありました(3)。悪徳業者の手口としては、ホームページで公開している金額以外にも別途料金が発生するが、決まって火葬炉へ入れた後に法外な金額を提示するようです。金額提示は書面ではなく、口頭のみのケースがあります。
検討段階の時点で、見積書や請求書などの提示と金額に納得がいかないようであれば、書面へのサインを急がないことが大切です。
ペット葬儀業者選びの基準をもつ
車を持てば誰でも開業できるビジネスのため、ペットへの愛着がなく、営利目的で行っている業者もいます。また、サービスが不完全であることが実情です。たとえば、動物用の棺を飼い主には見えないところで炉から出し、棺を再利用する施設も残念ながら存在します。火葬自体が作業として行われるため、動物に関する知識をスタッフが持ち合わせていないこともあります。
愛するペットの最後を預けるのではあれば、ご家族の中で何を優先したいか、話し合っておくといいでしょう。
なぜ大森ペット霊堂では「移動式火葬車」を行わないのか
移動式火葬車はペットとの思い出の地で、安価で火葬できる業者もいるので飼い主から根強い人気があります。ですが、ペット葬儀業者によるトラブルの約7割が移動式火葬車によるものであることを心に留めておいて欲しいです。もちろん、まじめに移動式火葬車を使い、営業している業者もいるので、利用を検討している人は情報収集に力を注いでみてください。
私たち大森ペット霊堂では、訪れたペットを人と同じように考えていますので、人の葬儀と同じ弔いを行っています。また動物種によっては、火葬方法が異なりますので、専任スタッフがペットに関わる情報を飼い主から拝聴し、丁寧なペット供養を行います。火葬や葬儀に関する悩みがあれば、いつでもご相談くださいね。
参照先:
(1)PR TIMES,【調査】ペット葬儀の利用実態からわかる現代のペットとの「お別れ方法」,https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000055.000015832.html
(2)環境省,中央環境審議会動物愛護部会 動物愛護管理のあり方検討小委員会(第8回)議事要旨,https://www.env.go.jp/council/14animal/y143-08.html
(3)日本ペット訪問火葬協会,平成17年11月17日毎日新聞より,http://www.pvcca.jp/17_11_17news
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