犬を安置するのにドライアイスは必要?
2020年6月16日
長い年月を共に過ごしてきた愛犬が亡くなってしまった時、早く火葬をしなければいけないことはわかっているけど、すこしでも長く一緒にいたい。
もしくは仕事や家族の都合で予定を合わせることができずすぐに火葬をしてあげることができない。
このような事態の時犬は自宅で何日くらい、安置をすることができるのでしょうか。
目次
犬を安置する際に保冷剤を使った安置の方法
愛犬が亡くなってしまったとき、多くの飼い主が保冷剤を使う方法で安置をしている方が多いでしょう。
間違った安置方法ではありませんが、正しく処置をしないと、意味のないものになってしまいます。
犬の保冷剤をあてる場所
一般的な犬の安置の方法は、保冷剤を使った安置です。
まずは身体が無理なく入る大きさの箱を用意し、ペットシーツを敷きます。
その上に全体に保冷剤を置き、バスタオル又はタオルを敷きます。
その上に愛犬の身体を寝かせます。
愛犬の身体の上にも薄手のタオルで包んだ保冷剤を当てていきます。
お腹やお尻、そして頭の下にも入れてあげてください。
ドライアイスを使った安置よりも一般的で、簡単な方法です。
保冷剤を使った安置の詳しいやり方は下記をご覧ください。
保冷剤での犬の安置できる日数
犬の種類、季節、お部屋の室温や環境などにより、安置できる日数は変わります。
目安としては
夏季・・・2日間~3日間ほど
冬季・・・4日間ほど
となります。
当然ですが、ドライアイスを使った安置の方が、より愛犬を長く安置することができます。
安置をする際、自宅に保冷剤がない又は保冷剤を凍らせていない場合
では、自宅に保冷剤がない場合、又は保冷剤を凍らせていない場合はどうしたらよいのでしょう。
その場合は、氷でも代用可能です。
ただ、なるべく自宅で作った氷ではなく、コンビニやスーパーで売っている
純度の高い溶けにくいロックアイスを使用してください。
氷の場合も、保冷剤と同じく、身体が濡れないようにタオルで包んでから当てるようにしましょう。
身体が濡れてしまうと、腐敗を早める原因になります。
犬を安置する際、ドライアイスを使う方法
- 長期間、自宅で犬を安置する
- 冷房のない部屋で安置する
- 大型犬を安置する
このような時は、ドライアイスを使用すると良いでしょう。
ドライアイスとは
ドライアイスとは、二酸化炭素を固体にしたものです。
気体の二酸化炭素に加圧して液体にし、その液体を大気に出すと、粉末状の固体になります。
その粉末に水を加えて圧縮したものがドライアイスとなります。
温度は約-80度となり、同じ質量であれば、当然氷よりも冷却効果は高くなります。
犬を安置する際、ドライアイスを使用する際の注意点
ドライアイスを使う場合には、いくつかの注意点があります。
- ・濡れた手で触らない、素手で触らない
- 必ず乾いた軍手をしてから触るようにしましょう。
- 濡れた手や素手で触ると、皮膚にくっついてしまい、凍傷の危険があります。
- ・直接愛犬の身体に当てない
- ドライアイスを愛犬の身体に当てるときは、必ず紙やタオルに包んでから当てましょう。
- 直接身体に当てると毛にくっついてしまい、気化する前に取る場合、毛が抜けてしまうことがあります。
- ・密封した容器で安置をしない
- ドライアイスは気化すると、体積が750倍になります。
- そのため、密封した容器で安置をすると空気が収まりきらず、爆発することもあります。
- ・安置をする部屋が狭い場合は換気をする
- ドライアイスは気化すると二酸化炭素が発生し、低い場所に溜まっていきます。
- 愛犬をドライアイスで安置をするときは、使用するドライアイスの量が多い場合や
- 部屋が狭い場合はこまめに換気をするようにしましょう。
また、車でドライアイスを運ぶ際も車内の換気をしましょう。
換気をしないと、自分自身が酸欠状態となり意識障害を引き起こす場合がありますので注意が必要です。
安置するためのドライアイスは亡くなってからすぐに当てなければいけないの?
ドライアイスは、遅くても亡くなった次の日には当ててあげましょう。
見た目が変わらなくても、亡くなってから時間が経てば経つほど身体の中では腐敗が進んでいます。
そして、一度腐敗が始まると腐敗のスピードは上がっていきます。
少しでも早く、身体に当ててあげましょう。
犬の体にドライアイスを当てる量
- 小型犬の場合・・・・・・3㎏~5㎏
- 中型犬の場合・・・・・・5㎏~10㎏
- 大型犬、特大犬の場合・・10㎏~15㎏
最初は多めに当てて、様子を見て少しずつ減らしていきます。
火葬をする日の前日からは、保冷剤に切り替えても問題はありません。
愛犬のどの部分にドライアイスを当てるの?
お腹
内臓は腐敗が早いので、お腹の下とお腹の上と両側からドライアイスを当てて安置しましょう。
お尻
身体の中で、腸が最も早く腐敗が進むと言われています。
お尻の下と、お尻の上と両側から挟むようにしてあげてください。
頭
頭部も腐敗が進む場所の一つです。
愛犬の枕代わりとしてドライアイスを使用し、そっと頭を乗せて安置してあげましょう。
犬の身体の大きさや体型によって当てる量は変わりますが、当てる場所は変わりありません。
ただ、大型犬以上の子は、背中側にも当てる必要があります。
犬の安置に使用するドライアイスの値段
普段買うことのないドライアイスの値段、いくら位するのかわからない人も多いのではないでしょうか。
お店にもよりますが、1㎏大体600円~1,000円位で販売している場合が多いようです。
氷屋さんで購入することができます。
インターネットでも購入できますが、届くまでに日数がかかってしまう場合がほとんどです。
そして、ドライアイスは冷凍庫で保存ができません。
ドライアイスは-80度、冷凍庫は-20度、冷凍庫に入れても昇華して小さくなってしまいます。
安置をする場合は、毎日買いに行かなければなりませんので、いざという時に慌てないためにも
事前にドライアイスを買える場所を探しておくと良いかもしれません。
ドライアイスで犬を安置できる日数
犬の種類、季節、お部屋の室温や環境などにより、安置できる日数は変わります。
目安としては
夏季・・・7日間ほど
冬季・・・10日間ほど
となります。
ただ、ドライアイスを毎日交換すること、直射日光の当たらない場所に安置をすること、
愛犬の状態をきちんと観察して、ドライアイスの量を調整することが必要になってきます。
自分で判断をするのではなく、ペット霊園に相談されるのがよろしいかと思います。
冷蔵庫や冷凍庫で犬を安置することはできるの?
保冷剤の交換や、ドライアイスの交換をする時間がない、手間がかかるので、冷蔵庫や冷凍庫で安置はできますか?
という相談を頂くことがあります。
飼い主自身が、気にならない、抵抗がないということであれば
庫内に入る大きさの子であれば、冷蔵庫や冷凍庫で安置しても問題はありません。
冷蔵庫では7日間ほどは安置が可能です。
ただ、あくまでもご遺体の状態にもよりますので、冷蔵庫で安置をする場合は
ペット霊園に一度ご相談下さい。
冷凍庫での安置についてですが、期間はどのくらいという目安はありません。
冷凍庫で凍らせてしまうため、長期間での安置が可能です。
長期間、愛犬を安置していてもお骨に影響はないの?
飼い主が一番気になることは、大切な家族の一員である愛犬を長期間安置して火葬をすると
お骨はきれいに残らないのではないか、ということだと思います。
保冷剤、ドライアイス、冷蔵庫、冷凍庫、どの安置方法でも10日間ほどでしたら、まずお骨に影響はありません。
では、1ヶ月、6ヶ月、1年、2年と長期にわたって安置をしていた子のお骨はどうでしょうか。
経験上、そのように長期で安置をしていた子のお骨を何度も見たことがありますが、
お骨に影響が出てきてしまうのが本当のところです。
お骨が脆くなっていて形がキレイに残らなかったり、
お骨の色が変色してしまっていたりといったことがございます。
飼い主のご都合や、お気持ちもあるかと思いますが、お骨をきれいに残してあげるのであれば、
年単位の長期の安置はおすすめしません。
最後に
飼い主が10人いたら10通りのお見送り方法があります。
大森ペット霊堂では一人一人の飼い主の気持ちを尊重し、後悔のないお別れができるように、
そして、飼い主がこの後の毎日を前を向いて歩いていくことができるように心のケアも含め
精一杯お手伝いをさせて頂いております。
家族の一員である愛犬とのお別れには、悲しさはもちろん、わからないことだらけかと思います。
飼い主のどんな小さな質問にも経験豊富なスタッフがお答え致しますので、ご相談ください。
大森ペット霊堂 吉津
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