老犬介護からペットを看取るまで
2020年9月6日
『この子飼いたい!』
「お世話はとても大変だから飼えないよ」
『ちゃんとお世話するから!お散歩もちゃんと行く!』
「学校や習い事あるのにどうやって?お友達とも毎日遊びに行けなくなるかもしれないよ?」
『絶対お世話するから飼いたい!』
「ダーメッ!」
ペットが好きな人なら、子供の頃、一度は経験があるこのやり取り。大人でさえ店頭で可愛いペットを見かけたら、その場で抱っこしてしまったら、次に行った時まだその子がいてくれたら、そのまま連れて帰りたくなる気持ちが湧いてしまいますよね。
目次
ペットを迎える理想と現実
ペットを飼う時は様々なタイミングと偶然、そして奇跡が重なって家族となる子と出会います。
責任を持って生涯を共にすると覚悟をして迎え入れても、おそらく終生を通したお世話は想像よりも大変でしょう。自分の環境が変わり中々ペットと向き合う時間が作れなくなったり、怪我や病気の治療費の高さに驚いたり、付きっ切りの介護が必要になったりと、最後にはペットの看取りをしなければいけなくなる。
色んな環境や気持ちの変化がやってきます。
犬などのペットを飼い慣れている人でもその子によって大変な事はそれぞれ違うので、全てを想像する事は誰にとっても難しい事でしょう。悲しい事に、そういった要因で最期を看取る事なく手放されてしまう犬、猫がいる事も事実です。ペットを飼うという事、それほど大変な事とも言えるでしょう。
ペットのいる生活は、本当にたくさんの幸せで溢れています。可愛い仕草や無邪気に遊ぶ姿、いたずらさえも微笑ましく思えます。ですが、病気や怪我をしたり、何か手のかかる事があった時などの大変なお世話が続くと、どれだけ愛情があったとしても、時には投げ出してしまいたくなるような事も出てくると思います。一時のペットブームにより現在は多くの老齢化したペットが増えており、老犬介護や看取りに関する事も大きな問題の一つでしょう。そして、犬や猫は命ある者。看取りが必ずつきものです。
老齢化した犬や猫などのペットとの向き合い方
現在の医療技術や飼育環境はどんどん良くなっているので、長生きするペットもたくさんいます。ネットにも老犬介護に関する事はたくさん出てきますし、ペットの介護用品もたくさんあります。
しかし老い方は本当にそれぞれで、誰かから聞いた事がそのまま自分の子に当てはまるとは限りません。昨日出来た事が今日は出来ない、昨日は食べてくれたご飯を今日は食べてくれないなど、一筋縄ではいかないのが現状です。
常に日々の些細な変化を敏感に感じ取って対応してあげる必要がありますし、体調によっては何度も病院に足を運ぶ必要が出て来る事もあります。歩けない、見えない、聞こえない、などは、ペットにとってはとても不安な事でしょうし、そんな不安から、穏やかだった子が急に攻撃的になってしまう事もあります。
ペットもイライラ、飼い主もヘトヘト、気持ちに余裕がなくなるとつい「もう無理だ、、、」と投げ出しそうになりますが、そんな時は「大変なのはまずはこの子なんだ」「思うように動かない体でもこの子は今必死に頑張ってるんだ」「大変なのは自分だけじゃなかったんだ」「一緒に頑張ろうね!」と前を向き直して、最期まで愛犬と二人三脚で進むつもりでいると少しは気持ちが穏やかになれるのではないでしょうか。また、誰かに聞いてもらうだけでも気持ちが少し落ち着いて来ると思います。愛犬をしっかりと看取ってあげて安心して天国に旅立てるよう、一人で抱え込んで壊れてしまう前に、どうか誰かに一度話してみてくださいね。
子犬だった頃や元気な時はもちろん可愛いですが、老犬はそれとは違った愛おしさがあり、大変な面もあるけれど格別な可愛いさがあります。それはもうたまらなく可愛いですよ。
老犬、老猫を看取るという事
想像するのはとても辛い事ですが、、、そんな大変な老犬介護にもいつかは終わりがやってきます。
介護の終わり、つまりは最期を看取るという事になりますが、、、本当は考えたくないけれど避けては通れない、とても大切な事でもあります。
お見送りで困ったときは
愛する我が子が無事に天国に旅立っていけるように、しっかりと最期までお見送りできるよう、飼い主の心の準備と覚悟も必要となります。生前からそのような準備を整えられたらいいのですが、とてもそんな気持ちになれないですよね。そしていざペットが亡くなった時に「どうしたらいいの??」と不安になってしまいますが、私はそれでもいいと思っています。なぜなら、そのように不安な時の為に私たち霊堂のスタッフがいるからです。
もちろん、準備や下調べをするに越した事はありませんが、何もしていなかったとしてもまずは話を聞くだけでもいいので「ペットが亡くなったけど、どうしたらいいか分からない」と素直に聞いてみていいと思います。一つで分からなければいくつか問い合わせてみて、どうか納得のいくお見送りをしていただきたいと心から願っております。
正しい看取り方とは
老犬介護からペットの看取りまで、こうすればいいという正解はありません。
あるとすれば、飼い主が「これで良かった」と思える事が全てだと思います。
例えば、、、
『老犬で麻酔の心配もあったけど、思い切って手術をしてみて良かった』と思う飼い主もいれば、
『麻酔やメスを入れるリスクを負わずに緩和ケアにしてありのままの最期を迎えられて良かった』
と思う飼い主もいます。
『最期まで付きっ切りで介護出来たから、自分のそばで安心して息を引き取れたと思う』という飼い主もいれば、『介護施設などのプロに託して的確な介護をしてもらえたから、自分の手から離れても最期までこの子にとっての最善を尽くしてあげられて良かった』と思う飼い主もいます。どんな選択をするにせよ、これで良かったと思える事が大切だと思います。
その子にとって最適な事は、お医者様よりも誰よりも、日頃からずっとみている飼い主様が一番分かっています。なので、その子の為にどうか自信を持って選択してあげてください。それが何よりその子の為だと思います。亡くなった後、もっとこうしてあげたら良かった、などと後悔したり自分を責めてしまう事もあるかもしれません。ですがその子は、あなたが自分のために一生懸命してくれた事は、絶対に分かってくれているはずです。
純粋で優しい心を持っている子達ですから、どんな選択をしても大好きな飼い主を恨むような事はしないでしょう。
悲しみから抜け出せない時
万が一、愛するペットが亡くなってしまったら、その悲しみはとても深いと思います。
中々立ち直れない方もいると思います。でも無理に忘れたり、切り替える必要はありません。その悲しみはあなたの犬猫に対する愛情そのものだからです。それを心の奥にしまう必要はありません。心ゆくまで悲しみ、思いを馳せていいと思います。亡くなるといいう事は生きていた証です。そして肉体はなくても魂は永遠です。会えなくなるのは寂しいですが、今までたくさんの幸せをありがとう!と感謝して、これからもずっと胸に居続けてくれる我が子を何度も何度も思い返してあげて、一緒に前に進んでいきましょう。きっとそばであなたを優しく見守ってくれている事でしょう。
最新記事 by 大森ペット霊堂 (全て見る)
- トイプードルとの最期の時を優しく迎える【愛するペットの終活】 - 2024年11月9日
- 珍しい生き物グリーンボアとその火葬の文化的意義を紐解く - 2024年11月8日
- イモリを心を込めて最期まで大切に。火葬とお別れの儀式ガイド - 2024年11月3日