電話から火葬当日までのペット葬儀の家族様のお声
2020年12月12日
実際に大森ペット霊堂へ、ペットの葬儀にお越しいただきました家族様のお気持ちや私たちの対応などの詳細をお書きさせていただければと思います。
- ・東京都品川区お住まいのご家族様
- ・4名様でご参列
- ・名前はミルクちゃん。女の子。15歳2ヶ月
- ・小型犬。ミニチュアダックスフンド
目次
お電話での対応
家族様からミルクさんのお亡くなりのお電話をいただいた際には、とても泣きながらお電話をいただきまして、しっかりとお話をできる状態ではありませんでした。
私たちは火葬の日時予約をとることよりも、まずは家族様のお気持ちを聞かせていただくこと、ミルクちゃんがどのような子だったのかなどもお聞かせいただきながら、少しでも気持ちに寄り添えるような対応ができないかを考え、家族様が落ち着かれるまで色々なお話をさせていただきました。
生前はとても社交的な子であり、散歩の際にはいつも他のわんちゃんを見つけるとすぐにそばによって仲良くできる子でありました。たまに、怒られることがあるのがたまに傷だと笑顔でお答えいただきました。
亡くなったらすぐに火葬をしなければいけないからという理由で、亡くなってからすぐにご連絡をくださったようでしたので、ご自宅でできる安置方法をご説明させていただき、火葬を考えるよりも1日でも一緒に過ごしていただきたい旨をお伝えし、2日間ご自宅で一緒に過ごしたいということでしたので、ご案内させていただきました。
安置の方法につきましては、私たちのHPにも記載がありますで参考にしてくださいませ。
当日のお迎え
当日は、ご自宅までお迎えをご希望でございましたので、ご自宅までお伺いさせていただきました。
ペット霊園は連れていただかないといけないという認識があったようでございましたので、私どもご自宅までご訪問させていただくことが可能だとお伝えさせていただいておりました。
ご自宅にお付きになりますと、とても綺麗に手入れをされているミルクちゃんにご対面させていただきました。家族様全員笑顔で私を笑顔でお迎えいただき、よろしくお願い致しますと、お声をいただきました。
その際に、ご家族様が私に【お車代】を受け取って欲しいと封筒を差し出されました。私ども大森ペット霊堂では、全ての費用はプラン含めている為、お断りをさせていただきましたが、ご家族様がせっかく用意していただいたお気持ちを無駄にしたくありませんでしたので、1つご提案させていただきました。
「ご用意いただいたお車代で、ミルクちゃんにお花や好きだったご飯などを購入し、添えていただいてはいかがでしょうか?」
家族皆様が納得してくださり、お近くにいつも買い物に行くペット用品があるとのことでしたので、葬儀開式のお時間を少し変更させていただき、お待ちさせていただきました。
その後、ご自宅から大森ペット霊堂まで家族様とミルクちゃん一緒に向かわせていただきました。
施設到着から葬儀まで
施設に到着をすると、大森ペット霊堂では当日葬儀を執り行う家族様のペットさんのお名前をお出しさせていただいております。娘様がその看板に気付き、家族皆様で笑顔で喜ばれておりました。
受付の際に、葬儀からご自宅に帰られるまでの流れを再度ご説明させていただきながら、バスケットの棺を購入してお見送りをしたいと伝えられました。
私たちで家族様に提供をしているバスケット棺は【籐】という素材でできており、火葬の際には黒煙をあげず完全燃焼する素材になっておりますので、お骨が汚くなる恐れもない棺であります。
葬儀は、まずはお経をお流するか否かご希望をお聞きし、お経をお流させていただきました。お線香を手向ける際にも、何本すればよろしいですか?とご質問がありましたので、1本でも何本でも大丈夫であることをお伝えさせていただきました。ご家族様は仲良くしていた近所の散歩仲間のわんちゃんからもということで3本足してお線香をたむけていたことがとても印象に残っております。
その後には【末期の水】と呼ばれる儀式を行いまして、天国に行くまで喉が乾かないようにとお水を口元に湿らせる作法を行いました。
家族様は御供物で、ペット用ミルクを持ってきていたので、末期の水をミルクですることができる旨もお伝えすると、家族様全員がミルクでやりたい!
とおっしゃっていただきました。名前がミルクちゃんという名前だけあって、ミルクがとても好きだったと笑顔でお話くださいました。
その後私たちは退出し、少しばかしではありますが家族だけで一緒にいれる最後のお時間を過ごしていただきました。
ペットの火葬場
火葬場にご案内すると、
- 「初めてみた」
- 「自分の親族を亡くした火葬場よりもすごい」
- 「明るく見送れる場所でよかった」
など、とても笑顔でお話をさせていただきましたが、やはり火葬炉にミルクちゃんをお寝かせする際には涙を流すご家族様をみて、私も少し涙ぐんでしまいました。ありがとう、いってらっしゃいとお声がけをしてくださる家族様に対して、また一緒になろうねと娘様のお言葉に感銘を受けたこともしっかり覚えております。
扉を閉め、皆様で手を合わせていただきまして、涙ぐんだお顔でありがとうございましたと言われましたが、これからは
ミルクちゃんが火葬を頑張ってくださり、皆様がまたお骨をみてくださるのを待っていらっしゃると思うので、皆様もミルクちゃん応援してあげてください!
とお声がけをさせていただくと、
ミルク頑張れよ!綺麗になってよ!
なんて、少し笑いのこぼれたお見送りをしていただきました。
火葬中の待合
私たちの待合には、動物保護施設のパンフレットや、私たちの動物に対する想いなどが書かれた冊子などをおかせていただいております。
そちらを娘様がみて、「次ペット飼う時は、保護施設で飼いたいな」とおっしゃりお母様に、「まだミルクの火葬も終わってないのにそんなこと言うんじゃない!」
と怒られていましたが、お母様もやはり動物のことがとてもお好きな方なので、熱心に保護施設のことを聞いてくださりました。
ミルクちゃんは、元々ブリーダーさんから譲り受けた子でありまして、元々他のわんちゃんも大好きな子出逢ったので、もう一匹迎え入れたいと前から家族で相談していたとのことでした。
その時に保護施設から引き取りたいと思っていたんですとおっしゃっていただきました。
ミルクちゃんの火葬をお待ちいただいている際は、終始笑顔で家族団欒でお話をしていらっしゃった家族様でした。
なんでこのような仕事をしているのか、動物が好きじゃないと務まらないよね。など私のお話までしてくださり、ミルクちゃんのことをいっぱい考えていただいたい中でも、私のことまでお気になってくださりとても嬉しく思いました。
私は元々、ペットの葬儀の仕事をしたかったわけでも無く、動物がとても好きで何か動物の為に仕事ができないか探していたところご縁があって入社をさせていただいたことがきっかけです。
ペットホテルや預かり、シッターなど生きているペットをする仕事もある中でも、今は亡くなったペットさんにも生きている子と変わりなく同じように接する大森ペット霊堂が好きだから今でも仕事をさせていただいております。
お骨拾い
お骨をみてくださった時の家族様の反応はとても感動を受けられておりまして、なんでこんなに綺麗に残るのか教えて欲しい!すごい綺麗。本当にありがとうございます!
など、お伝えいただきましたが、もちろん私たちの綺麗にお骨を残す火葬炉の技術もあるかと思いますが、一番は火葬を頑張ってくださったミルクちゃんを褒めてあげることです。
あくまで科学的に証明されていることでもありませんが、ペットの火葬後のお骨の綺麗さと言うのは、家族様の愛情によって誤差があるような気がしております。
私たちはボランティア火葬と言って身寄りのない子たちの火葬を無償で行うこともあり、そのような子も何万匹も火葬させていただいている中で、やはり家族様の愛情を持ってお越しいただくペットさんのお骨はとても綺麗だと感じることが多くあります。
その旨も全てお伝えさせていただき、お骨拾いに関してましても皆様笑顔で骨壺に納めてくださいました。
証明書発行からご自宅までのお帰り
私たちは49日の日程や、ペットさんが家族に与えてくれた幸せの功績を称える表彰状をお渡しさせていただいております。
そちらをみていただき、とても涙を流される家族様でありましたが、嬉しそうに笑顔でお話をお聞きしてくださいました。
最後に娘様から、保護施設の場所やどんな子がいるのかなどのご質問をいただきましたが、その際にはお母様も終始お話をお聞きしてくださいました。
今回のご依頼では、帰りもご自宅まで送っていただきたいというお声をいただいておりましたが、家族様でお骨を抱いて、みんなで一緒に行った思い出の場所に行きたいとのことで、お送りすることはなくなりました。
「火葬を持っていただいている最中に、家族様でお話して決めたとのことです。お母様が、とてもナイーブになっていて出かけられないと思っていたそうですが、大森ペット霊堂で葬儀をしてお母様のお気持ちや笑顔でお話をする姿が見れたからこそ、もう一度家族でいけることになりました。このような機会までくださり、本当にありがとうございました。」
と最後の最後までありがたいお言葉をいただきまして、帰路に帰られました。
納得のいく、後悔のないペット葬儀とは
ペットの葬儀は十人十色であり、家族様によって思いや気持ちが異なる中で同じ葬儀などは絶対にないと考えています。
ペット霊園で決まったプランをやらなければいけないわけではありません。ご自身がどのようにしてあげたいのか、どうしたら納得がいくんだろうと考えてあげてください。
【記載あるプランを選ぶ】のではなく、やりたいことを箇条書きでも構いませんので、全て書き出すことをしてください。
その中で、私たちがご案内させていただくことが、家族様がやりたい葬儀であると思います。
そして、色々なお話を聞いてあげること。ただ火葬するだけでなく、家族様がどのような思いで送り出してあげたいのか、そのペットさんへの気持ちなどをしっかり聞かせていただき、対応するスタッフは感じなければなりません。
- ・家族様は15年一緒に過ごしたペットさん。
- ・ペット霊園は、その日に会うペットさん。
気持ちに違いが出るのは当たり前です。その気持ちを縮める為には何が必要なのか。15年間の思い出を少しでも多くお話しいただき共感を得ることだと思います。
共感を得るには、私たちは動物のことを誰よりも知らなければなりません。火葬の勉強をだけでなく、動物の勉強をするのです。だから、ペット霊園で働いているスタッフは、動物のことを愛している人でなと務まらないと思っております。
共感をもって、精一杯家族の為にしてあげられることを考えるスタッフに巡り合うことは、ペットの葬儀をする上でとても大切なことだと思います。
話を聞くことは誰でもできますが、共感できる方は、ほんの一握りだと思います。
それこそ、私たちが家族様に対する最低限のマナーであると思っています。
今回は、ペット葬儀にお越しいただいた家族様のお電話いただいた時から、対応させていただきました最後までを記載させていただきました。
少しでも、笑顔になってくださる家族様の為に、私たち大森ペット霊堂は日々精一杯責任を持って家族様に向き合って参ります。
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